(1) Digital Loeb
iPad などのiOSでギリシア語の文献を読むには、基本的にはウェブでPerseusサイトへ行くのが簡単だろうと思う。あるいは、Perseus4.0の幾つかのテキストと辞書を組み込んだ学習用ソフトウェアを用いるのも良いかもしれない。(無料ので一番まともなのはLogos Bibleの Perseusセットだけれど、導入がやや面倒。)Perseusサイトの難点は、収録作品がまだ少ないこと、著作権切れのものを中心とした翻訳が古めかしいものが多いことなどだけれど、いちばんの難点はサイトのスピード。いらいらするほど遅い。学習用ソフトの難点は、作品が少ないこと、辞書連携がまともでないものがあることなどだ。
で、初年度195ドル年会費65ドルでLoeb Classical Libraryのすべての作品が読めるDigital Loebだと、iPadの利用感はどうなのか試してみた。勿論、ギリシア語の専門家はThesaurus Liuguae Graecae (TLG)のウェブサイトを利用するだろうけれど、それはiPhoneでちょこちょこギリシア語を読みましょか、みたいな需要には大がかりするように思う。お値段のことは置いても、英訳がないのはちょい読みには不安だ。Loebは基本見開きで左頁にギリシア語、右ページに英訳なのだけれど、左頁だけの表示にすることも出来るし、iPhoneならいっそ見開きのまま、左側だけを画面に入れておいて、悩んだら右ページをすっと見るとかでもよい。後は EBPocketのLSJないしintemediate Liddellとの組み合わせでサクサク)。Digital Loebの方でiOS用のアプリ作ってくれるとありがたいんだけれど…
ちなみに、iPhoneを横にしてメナンドロスの「辻裁判」を表示して単語調べたりしているスクリーンショット。選択部分を長押しすればcopyの指示が出るのでコピーしてEBPocketへ移動すると単語が調べられる。鉛筆マークをタップすればメモも取れる。
Digital Loeb (iPhoneで) |
EBPocket |
TLG Abridged
私のTLGのアカウントは去年失効してそれからサイトに行っていなかったんだけれど、久しぶりに行ったら、Abridged TLGというのが無料で使えるようになっていた。最初に登録は必要だけれど、そんなに面倒ではない。翻訳へのリンクも(オンラインに翻訳が確認できる場合)ページごとの対訳にはなっていないけれど一応あるし、単語をクリックしたら右側に原形や辞書へのリンクが並ぶので、結構便利に使える。この変化形分析は多分PerseusのものなのでやっていることはEBPocketとまあ同じ。辞書へのリンクが、Safari内の別窓で開く。読んでいる場所のブックマークは出来ないみたいだけれど。
パソコン上のスクリーンショット(部分)とiPhoneでのスクリーンショット。iPhoneだとやや狭いがiPad mini (横)だと充分使い物になる。ギリシア語テキストを二つ横に並べて表示するモード(Parallel Browsing)もあり、これも使いようによっては便利そう。
パソコンでのTLG abridged |
iPhoneで |