2013年5月7日火曜日

『レミング』赤旗劇評五月一日


Masahiro Kitano
五月一日の「赤旗」に、松本雄吉演出の『レミング』の劇評が掲載されていました。メーデーの名刺広告の影響で、いつもと文化欄のページが違っていて見落としていました。今日掲載誌が送られてきて確認。 時間をおいて改めて読むと、ちょっと今回の劇評の不出来にげんなりします。抽象的でなにも伝えられていない。反省。言いたかったことを箇条書きにすると次のような感じです。
 (1) 『レミング』は寺山のさまざまなコンプレックスが寓意的に表された面倒くさい作品。それは役者の「身体性」を強調する演技によって過剰にグロテスクに表現されることを求めている。
 (2) 他方、『維新派』はすべてを断片化し、ミニマリズム的な「差異と反復」によって強度を与える単純な舞台。松本的世界には「白塗り」で表情のそれほどない「少年たち」とその大阪弁によるスタイリッシュな様式化が不可欠。
 (3) 両者はもともと水と油で、観客としての私の関心は松本が寺山的世界をどう破壊するかにあった。
 (4) でも意外にテキストはいじられていない。断片化は限定的。
 (5) 等身大で、人間的魅力に溢れた俳優たちは、(1)とも(2)とも違うのだけれど、どちらの要素もある程度上手く取り入れていて、乳化剤の役割を果たしていた。(もちろんそれは演出意図でもあるのだろう)。
 (6) 音楽かっこいい。
 (7) 常盤貴子さんきれい。

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