2013年5月21日火曜日

マイケル・ラコウィッツ(Michael Rakowitz)『どんな塵が立ち上がるだろうWhat dust will arise』Documenta (13) 2012

個人的にメイン会場で一番印象が深かった。

ラコウィッツの『どんな塵が立ち上がるだろう』というタイトルは、アフガニスタンの諺「一人の騎手からどんな塵が立ち上るだろう」に由来するもの。1941年9月の英軍の空襲によって破壊されたHesse-Kassel地方図書館の本を、アフガニスタンのTravertine石(石灰華)で再現したもの。メイン会場のFriedichcianumはその図書館跡に建設された。

一度失われると戻ってこない文化遺産への濃厚な哀切に満たされる作品。 勿論、その背景には、アフガニスタンのハザラの石仏破壊、アメリカの侵略後のバグダッドの博物館の惨状が念頭に置かれている。

過去は破壊されて失われることで私たちにとりつく。

本の破壊と言うと、私は、二年前の三月十三日に見た映画「アレクサンドリア」でのアレクサンドリア図書館の破壊のことを思い出してしまうのだけれど……







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