ドクメンタ13の一つの大きな特徴は、非欧米への入れ込み、とりわけアフガニスタンとの連携だった。その理由とか調べなくちゃ、とおもって結局果たせなかったが、カブールにサテライト会場を設け、カッセルのメイン会場でも一番大きな作品の一つがカブールとの共催作品(Goshka Macugaの 「存在するものについては存在することの、存在しないものについては存在しないことの」←タイトルはプロタゴラスの引用で、「全てのものの基準は人間である」という言葉に続く)だったし、Lida Abdulの「私たちが見落としたもの」もカブール生まれの作家がカブールで撮ったヴィデオインスタレーションだった。
ディーンの「疲れ」もカブールとの連携の結果生まれた作品で、彼女はカブール在住のカメラマンにカブールの様々な場所の映画を撮るように求め、それを元に作品を作ろうとしていた。フィルムが駄目になったせいでそのプロジェクトは実現しなかったが、幾つかのコマから発想を得て作られたのがこの作品だ。カブール川の洪水や雪解けがテーマにされている。
面白いのは、これが黒板にチョークで書かれた作品だということだ。絵画の一番大切な特徴である持続性をかなり犠牲にして、彼女はむしろこの作品で一回性、はかなさを強調する。常設会場ではなく旧税務署の廊下に黒板は据えられている。また、rain riverなどの絵を描く前に書かれた言葉も残されている。
私がカッセルを出る日の前夜、山口大学の藤川先生が メールで勧めて下さったので午前中に見に行ったのだけれど、とても迫力があった。
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Dean Fatigueより(1) |
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Dean Fatigueより(2) |
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Dean Fatigue細部 |
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Dean Fatigue細部(2) |
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