しんぶんの小見出しに 「クウェート」の文字が見える。 |
一ドル紙幣のワシントン |
Documenta (13)では、フォルケスは音楽家として、自作の楽器を使ってパフォーマンスも行った。それは見ることができなかった。幾つかyoutubeにアップロードされているが、面白いけれど、そんなに前衛的だというわけではない。
造形作品は暗い部屋に鑑賞者から数メートルの距離をおいて二つ展示されていた。特に、『失われたフロンティア』は、『大統領閣下』と同じ、ミッキーの顔をつけた兵士(なにか民族衣装をつけているように見える)が廃墟のように荒れたロスアンジェルスの街を望む高台に立っている風景だ。手前には死んだ山猫、二人の男が描かれている。写真だとこの作品はいかにも立体ぽく見えるのだけれど、実物は、数メートル距離があるので、最初私は普通の絵だと思ってしまった。こちらの移動につれてホログラフィのように形が微妙に変わるので立体だと気づいた。とても手をかけた(1997-2005)、そのことに感動してしまう作品。もう一つの「目覚め(Awakening)」(1995-2012)は老いた夫婦の寝室が描かれているが、これもミクストメディアの立体作品だ。グロテスクなユーモアは、作者がそろそろ80才になると考えると、荘厳なおそれをおびる。
少し距離を置いて見させられるので、ややフラストレーションを伴いながら細部を確認するという見せ方の仕掛けのせいかもしれない(私は双眼鏡を取りだしたもの)けれど、メイン会場の絵画っぽい作品の中では一番見応えがあった。
Foulkes 失われたフロンティア |
Foulkes目覚め |
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