2014年9月17日水曜日

新国立劇場『三文オペラ』(赤旗劇評)

赤旗に新国立劇場の「三文オペラ」の劇評を書きました。
ソニン最高!最後の面会の場面での退場にダンディ坂野の持ちネタを持ってくる所なども素晴らしい。「示す」演技に徹している。
メッキーが「起伏が少ない」のは演出の意向か?って書いたのは、たとえば嫉妬の二重唱の場面でのメッキーの必死のごまかしがカットされていたり、いくつか、メッキーが面白くなるところをあえて抑えているように見えたから。ピーチャムに関しては、私が観たのが二日目というのもあり、第一幕冒頭の最初の見せ場がちょっと淡々としすぎているようにも見えた。笑いをとれていなかった。
字数の関係で書けなかったけれど、ピーチャム夫人のあめくみちこもとても良い。
台本は、ドスのメッキー、メッキース、匕首マックと主人公の名前が場面によって変わるのが気になった。総じて上品。でも、元になった(と書かれていた)光文社文庫(谷川道子)訳よりはずっと生きた日本語になっている(多分訳者本人の監修)。
翻訳戯曲のテキストと上演台本の関係としてはこれで良いと思う。戯曲テキストは語学的な正確さを崩せないけれど、上演台本はそうでもないのだから。


劇評はこちら

0 件のコメント: