軍国主義は個性の抑圧を伴う。グルジアの展示で目に焼き付いたのは白い無表情な顔の集まり。一つ一つの顔はほぼ等身大で、色彩を欠いた人面の怖さと反復の不気味さが「表情のない」軍隊の不気味さと重なる。言われてみるとある意味分かりやすいが、解説がないと「軍国主義」云々は想像がつかない。
顔が集まって球体を構成している作品と「フレスコのような」(カタログ)パネルになっている作品の二つがあった。パネル作品では、その無表情な顔の一つ一つが微妙に変化してゆくことで、不気味さは、悪夢を見ているかのようなおぞましさの領域まで達していた。
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